AirSpeedのトレンド
計器のクロスチェックについて、教官からよく言われるフレーズの一つに
「速度計のトレンドを見よ」というものがあります。
同じ90KTでも、加速しつつある90KTなのか、減速しつつある90KTなのか、
90KTで落ち着きつつある状態なのか、ということですね。
TGL・エアワーク・マニューバにおいては特に重要な要素となってきます。
ここでトレンドとは一体何を示しているのかよく考えてみると、
高校数学の微分がイメージできます。
トレンド = 時間あたりの変化量 = 時間tで微分した結果
と言い表せるのではないでしょうか。
座標 | 時間1回微分(速度) | 時間2回微分(加速度) | |
---|---|---|---|
水平位置の情報 | なし | ASI(速度計) | なし |
垂直位置の情報 | ALT(高度計) | VSI(昇降計) | なし |
(参考)旋回方向の情報 | - | Rate of turn indicator |
このように整理することができます。
(こうしてみると改めて飛行機というものはどこを飛んでいるか分かりにくいものだと再確認)
まとめると、
ALT(高度計)にはそのトレンドを示すVSI(昇降計)がついているが、
ASI(速度計)は既に水平位置(空気の塊に対してどれだけ移動しているか)のトレンドを示しているものなので、更にそのトレンドを掴むのは難しいが重要である、ということが見えてきます。
車のカタログでは0-100km/h加速の数値というものがあるそうです。
(車は全然詳しくないですが)
これはまさしく加速度を示していますね。
例えば「0-100km/h加速が5秒」だと、
→「20km/h/s」→「20km/3600s^2」→「56m/s^2」
となります。
AirSpeedのトレンド(加速度)をイメージしてフライトに臨んでいきたいです。
表作成: